虚海狂詩曲
それは最後の世界。この世もあの世もない、究極の宇宙。
記憶、人格、感覚、感情、存在そのものであるそのすべてを消し去り、ただ無へと帰す。
生まれてこなかったのと同じ。恐怖も苦痛もない、絶対の安楽死。
母なる涙一粒さえ理解できぬ無表情の魂と化す。
望みは叶うだろう。そんな死を遂げることなど普通はできはしないのだから。
神仏となるか無となるか、その先のことなど知る由もなければ興味もない。
ホワイトアウトするすべての現実。違和感があるのは始めのうちだけ。
決して子供に帰るような懐かしいものじゃない。恐怖心までも消えゆくこの不思議な感覚。
空白の虚海に住まう無縁たる黄泉の幽体、デスドルフィン( ˘ω˘ )
この最後のイルカは虚無海豚とでも言っておきましょう。消えゆく記憶と人格、そして何も感じぬ安楽の世界へ(´・ω・`)