大物先生に目を付けられる夢;つД`)
電車の中、家族はみんな席に座っているが、僕だけ座る席がない。 仕方がないので人がいないドアのところに適当にもたれかかる。 背負った荷物はちゃんと胸に抱えた。
「あら、あんたこの前の……」
すぐ後ろから声が聞こえる。 しまった、怪しいおばちゃんが座っていたらしい。 何やら僕に話しかけてきているようだが、知らない顔だしとりあえず聞こえないフリ。
ちょうど向かい側に座っていた兄と目が合った。
「おい、おまえその人……」
兄の顔色が変わる。
「何してる、さっさと土下座しろ!」
慌てふためく兄。 え?え? 僕は何が何だかわからない。 電車の中で土下座?
気付くと家族全員が怪しいおばちゃんに向かって土下座していた。
そう、確かに言われてみればこのおばちゃんはコンサルタントの大先生だ。 うちの家族が暮らしていくための命綱を握られていたのだ。
「あ、駅……」
降車駅に着いてしまい、今更土下座もできず、すっかりタイミングを失ったまま僕は駅を降りる。 気まずくておばちゃんの方を見ることさえできない。 背中越しに、家族たちが僕のフォローをしているように聞こえた。
駅の構内アナウンスによると、電車はしばらくこの駅に止まったままらしい。
「やっぱり自分の口から一言謝っておいた方が良いか……」
僕は急いでさっきのおばちゃんのところに引き返す。
「あの、さっきは無礼な態度で申し訳……」 「あんた、覚悟しときなさいよ。これからあんた一人を徹底的に殺しにかかるから」
真顔で言われて、背筋が凍った。 しまった、あんなことくらいでまさかこんなに怒るとは。 この人が超ビップだと知っていたはずなのに、瞬間的な度忘れで体が咄嗟に反応しなかった自分を恨んだ。
発車ベルが鳴り、結局どうすることもできずにホームに降りる。 僕はこれから一体どうやってこの人の機嫌を取り戻していけばいいのだろう。
……
家族で自宅に戻ると、さっそくおもてなしの準備。 今日はこれからおばちゃんが家宅訪問に来るのだそうだ。
僕は一人、心中が穏やかでない。 殺しにかかるって、一体何をされるんだろう。
「とりあえず、以前あの人からもらったレトログラスでドリンクを飲んどけ」
それが誠意の証、友好の証になると、兄からアドバイスがあった。
おばちゃんが家に到着。 僕は会食の場で、これ見よがしに例のレトログラスでオレンジジュースを飲んで見せた。
冷たいおばちゃんの視線が刺さる。 なんだ、こんな浅知恵なんて全部見透かされてるんじゃないか。
しかし僕には渾身の隠し玉があった。
食事が終わって、寝室でゲーム大会。 ファミスタを起動して、おばちゃんに接待プレイ。
肝心なのはBGM。 以前僕がアレンジしたやつだ。 気付くかな?気付くかな?
しかしやっぱりおばちゃんに黙殺される。
ダメだ、僕はもう逃げられない。
あんまり伝わらないかもしれませんが、恐ろしく生々しい夢でした;つД`)
おばちゃんの表情がすごく怖かったことだけははっきりと覚えています( ;∀;)
ガキの自分ごときの悪あがきでは到底逃れられないと思い知らされる、大人って怖いなという感じの内容でした(´;ω;`)