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天空の裁判所で空白の時間刑を受ける夢(´・ω・`)

「嘘偽りない真実を述べることを誓います」

法廷に立つだって?俺が?証人として?

頼りない足取りで証言台に立ち、手すりにつかまって見下ろすと、ここはまるで2階か3階か。 下には事件の捜査官から関係者にその家族、それに裁判員などの聴衆がこちらを見上げてずらりと座っている。 その数は視界一杯でまるで計り知れない。

そもそも何かの事件になんてかかわった記憶はないし、単なる証人尋問だ。 知ってることを喋ればいいだけなんだから、気楽に行こう。

背中越しのさらに高いところから、裁判長と思しき声が尋問を続ける。

「あなたは彼の友人としてカレーパンをあげたことを覚えていますか?」

ああ、それは何となく覚えている。

「はい、覚えています」

「そのとき彼が異国人であったのに対し、大人であることをやめ子供に帰るべきだと考えましたか?」

何を言ってるのかわからない。意味不明。

「はい、考えました」

何故だろう、頭がぼーっとしてることもあって、空気に飲まれてついうっかり肯定してしまった。 間違えたかな?

下の聴衆の中からその「彼」がこちらを見上げていることに気付き、目が合ってしまった。 場の空気は相変わらず凍り付いたままだが、その目は何かを訴えているようだった。

ようやく堅苦しい場から解放され、一旦は普段の生活に戻れることになった。 この先どんな判決が下されるかわからないが、とりあえず仲間たちと合流。 緊張した~疲れた~などと和気あいあい。 大丈夫、きっと何事もなく無事に帰れるさ。

「おまえ、多分間違えたよ」

薄々感じていたことをあっさり指摘される。 ああ、やっぱりそうか、でもそれならそれで仕方ない。 頭はまだぼーっとしていてまるで危機感もないまま、何事もないようにその事実をただ受け流すのだった。

久々に実家に帰ると、あれからどれだけの時間がたったのか、すっかり年老いた両親が出迎えてくれた。 背丈は見違えるほど小さくなり、頭髪は完全に白髪になっていた。

そんな中、父親だけは何故か、俺の中で絶対にありえないリーゼントな髪型になっている。 なのに何故か違和感がなく、ただただ懐かしいのだった。

「あれからお父さんね、あんたがまた生まれてくるまでにきちんと教育しといてやらなきゃって、何度も髪型を変えたのよ」

母からそう言われ思い出したことがあった。

あれは普段実家で客間として使ってる畳敷きの和室。 まるで新品みたいに奇麗なその部屋で、父が仕事から帰っては何度も何日も、髪型を新しくしては俺の目を見てあやしている、そんな景色が見える。 しかしあれは、あのあやされている赤ん坊みたいなのは、俺の人形だったんじゃないのか?

失った家族との時間。 その長さ、その重さが今になってひしひしと感じられる。 ようやくこうして再会こそできたものの、俺は、俺の人生は、親不孝そのものだったに違いない。

ああ、これが俺に下された刑だったってわけか。


何でしょう、こんな寝覚めの気分はいつ以来ですかね……まるで重たいドラマでも見せられたかのような、しかしそれでいてどこか他人事でない異様な没入感がありましたよ。夕べは確か夜中にも雷鳴が聞こえたり急に大雨が降りだしたりと変な天気だったんですよね。久しぶりに酒も飲んでたし。それでこんないつになく憂鬱な寝覚めになったんでしょうかしら

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