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朧の間 最新10件

イラスト・ノベルなどの創作物、ジェネレータやゲームで作ったものなど、最新10件です(^^)

虚海狂詩曲

それは最後の世界。この世もあの世もない、究極の宇宙。

記憶、人格、感覚、感情、存在そのものであるそのすべてを消し去り、ただ無へと帰す。

生まれてこなかったのと同じ。恐怖も苦痛もない、絶対の安楽死。

母なる涙一粒さえ理解できぬ無表情の魂と化す。

望みは叶うだろう。そんな死を遂げることなど普通はできはしないのだから。

神仏となるか無となるか、その先のことなど知る由もなければ興味もない。

ホワイトアウトするすべての現実。違和感があるのは始めのうちだけ。

決して子供に帰るような懐かしいものじゃない。恐怖心までも消えゆくこの不思議な感覚。


空白の虚海に住まう無縁たる黄泉の幽体、デスドルフィン( ˘ω˘ )

この最後のイルカは虚無海豚とでも言っておきましょう。消えゆく記憶と人格、そして何も感じぬ安楽の世界へ(´・ω・`)

ジェネシスで改めて作ってみましたよ(´・ω・`)

もしもシリーズじゃないですけど、もしもジェイソンの惨劇が起こらなかったとしたら2人はどんなキャラなのか、なんてお題で「CHARAT GENESIS」をいじってみました( *´艸`)2回目~

アイアンマーダラーズのラストで普通の家族団らんを夢見ているときの姿はこんな感じでしょうか;つД`)

目の移植もされていないのでこの場合は妹側が隻眼です。あと名前はジェイソンだとやっぱり男性名なので、スペルで近い所を探してジェイニーになりました。2人とも同じ名前ですが(;´∀`)

呼び方は姉→妹が「ジェイニー」で妹→姉が「お姉ちゃん」なので2人の間では不便はない仕様……いやそんなわけないか( 一一)

本家にはあったジェイソン仮面がジェネシスにはなかったので、結局それを匂わせる装飾はできませんでしたとさ

ビフォーアフター(*´Д`)

アイアンマーダラーズ

あの子は……いや、アレは人間じゃない。

シャツを大量の血に染めて興奮気味に息を切らす男。 赤子を抱きかかえながら、その様子を不安そうに見つめる女。

大丈夫、この子に必要なものはすべて揃ってる。 普通に暮らすんだ。俺たちは普通の家族として。

もう心配ない。

そのブロンドの美しい少女はとても賢く、また素直だった。 少しわがままに育ったのか時々癇癪を起こす性格だったが、それくらいは世間的にもよくあること。 両親からはとても将来を有望視され、そして何より愛されていた。

今年もいよいよ夏休み。今回は水晶湖という観光地にやってきました。 パパやママ、それに親せきのみんなも集まってバーベキューをお腹いっぱい食べようと、ずっと前からとっても楽しみにしていたよ。

実はユーチューバーとしても私、けっこう有名なんだ。 ほらほらこのお肉、今日のためのとっておきなんだって!美味しそうでしょ?

またパパったら、バーベキューはグリルとは違うなんて語り出して。その話はもう聞き飽きました! 親戚のおじさんたちはお酒飲んでるから笑ってくれてるけど、私とママはちょっと不機嫌。

もう酔っ払いたちは放っておいて、私ちょっと森の奥まで散歩してみます!キノコの見分け方を教えてあげる! ママに心配かけたくないから、あんまり遠くには行けないけどね。

あれ、何だろう?あそこに誰かいるみたい。 でもなんだかもやもやして見えづらいな。 あ、消えちゃった。おかしいな、幽霊だったのかな?

……よし、編集終わり!今日の動画をアップするよー! ねえママ、今日ね、森の奥で幽霊を見たんだよ?

翌日、ママとパパを連れて昨日幽霊を見た場所まで来てみたんだけど……なんか変なの。 お墓みたいなのがぽつんとあるだけ。

ねえアナタ、どうしてあの子のお墓が……ここにあるの?

なんだかママの様子がおかしいみたい。声が震えてる。

誰かの悪いイタズラ……にしては手が込みすぎてるな。

パパも恐い顔。一体これが何だって言うの?

まさかとは思うが、一応念のため確認しよう。

いきなりお墓を掘り始めるパパ。恐いよママ……

大丈夫、やっぱりこっちもただの箱だ。何も入っちゃいない。

その日を境にパパもママもなんだか様子がおかしいの。 声をかけても上の空だし、目を合わせてもくれない。ママもなんだか怒りっぽい。 どうしちゃったの?

それに私、毎晩おかしな夢を見るの。 あれは私なの?すごく私にそっくりな子が、黒い影に襲われて…… 私、血だらけになったその子とずっと目が合っているの。目が覚めるまでずっと。

恐いの。恐くてもう眠れないの。 でもママもパパも私の話なんか聞いてくれない。 パパはお酒に酔った勢い任せにいつも、俺たちは普通の家族なんだからいいんだ、気にするなって怒鳴って……ママとも喧嘩ばかりして…… どうして?どうしてみんなこんなに苦しんでるの……?

オワリニシテアゲタホウガイイノ?

そうだ、まずは私がパパもママも苦しみから解放してあげればいいんだよね。 この前見ちゃったんだから、パパが倉庫にステキなオモチャ隠してるの。 あ、このお面もカワイイな!

パパもママも、もう苦しまなくていいよ。

ほら、これでやっと静かに眠れるよね!良かった! でもパパは私と一緒にこれからもデートだよ? こうして髪に留めてあげて、と……あは、カワイイ! これで私たち、もう自由なんだよね?

これは躾だよ。わかってるね? はい……パパ……

この薄暗い地下室に繋がれてから一体どれくらい経つのか。 もう痛みもない。

ただ自分の目を自分で見てるのが不思議だった。 この左目は悪魔の目だよ。悪いものばかり見えるから、今日からパパが預かっておく。

頭蓋骨を深々と貫いたままになっている包丁からは、まだ赤いものが滴っている。 喉が渇いた……ママに会いたいな……

アナタ、どうなのこの子の左目は?

ああ、大丈夫。これで問題なく見えるようになるはずだ。 輸血後の拒絶反応もどうにか治まっている。

よかった……じゃああとは……

ああ、アレの始末だけだ。

地下室にエンジンの轟音が響く。 もう自分の悲鳴も聞こえない。

ママ、ごめんなさい……ごめんなさい…… 私さえ生まれてこなければ。

まわりの子と違うのは、わかっていた。

その泣き声はただか細く、か細く消えていった。

暗雲を切り裂く閃耀。 「地下室」を貫かんばかりの一筋の落雷とともに、運命の歯車が回り出す。

ここはどこ。 暗闇の中で目が覚めた。

冷たい水たまりから、重い体をゆっくり持ち上げる。 力が入らない。

手探りで近くの壁につかまると、スイッチを押したのか部屋に薄っすらと明かりが付いた。 ぼやけた視界の中で最後の記憶が蘇る。

パパ……ママ……私、まだ……

じゃらじゃらと切れた鎖を引きずりながら、光を求めて地上へ。

雨がそぼ降るその景色は、静かな田舎の一軒家。

懐かしいな。 パパもママも、元気にしてるかな。

その瞬間、再びあの悪夢が閃光のように襲ってくる。 頭が割れそうに痛い。

どす黒いものを吐き散らしながら、溢れる感情に涙が止まらない。 そうだった、パパもママも私が……

部屋の中は凄惨だった。 見たくなかったけど見ずにはおれなかった。

体中が悲しくてその血だまりの中に崩れ落ちる。 どうして……

地下室には、パパの形見があった。 私に会うときにいつも付けてたお面。それに……

そう。今度は私が、私を殺す番。

二つの仮面は、呪われたあの地へ集う。 かつての血塗られた惨殺事件は人々の記憶からとうに失われ、今ではもはや平凡な観光地となったはずだった。 しかし……

そう、このお墓。 私の幸せが奪われた場所。

自由はとても素晴らしいけど、どうしてもこいつのせいで眠れない。 もういい加減、消えちゃいなよ。

エンジンの轟音が共鳴し、重い黒鉄の音が交差する。

どうして……どうして、パパとママを殺したの?

はあ?あんたが私の幸せを壊したからじゃない! あんたこそ、いい加減私を恨めしそうに見るのはやめてよ!

お互い死ぬことのない体から、永遠の血しぶきが上がり続ける。

その左目で……私の左目で、パパとママの最期を見たのね?

あんたの左目!?

そう、あなたは私。私自身。 その体に流れる血も、私の血。 あなたは私の代わりに創られた、パパとママの理想のクローン。

私がニセモノだって言うの!? あんたなんかに……あんたなんかのどこにそんなことを言う権利が……

でもそれが真実。

ふざけるなあぁぁー! 私は私だ! オマエナンカジャナイ!

傀儡と指差された悲しみが、叫びとなって赤き夜を染める。

それからどれほどの時が経っただろうか。

もはやどんなに抉っても、どんなに切り刻んでも、消えることのない悪夢。 血の雨が無限に降ろうとも、どこまでも続くコロシアイ。 幾度となく引きちぎれては再生する体。

憎しみでは終わらない。

でも一つだけ、たった一つだけこの絶望の連鎖を止める方法、お互いの想いを遂げる方法があることを、二人は知っていた。

私たちはただ、ただ普通の家族として幸せに暮らしたいだけだった。 そう願えば願うほどに、運命の歯車が狂いゆく皮肉。

死ぬほどの痛みが果てなく繰り返されようと、声を上げてかき消してしまえば耐えられる。 なのにお互いの肌を、肉を傷つけ合うたびにこみ上げるその悲しみには、もうとても耐えることができなかった。

息を削る二人はやがて動きを止め、静かに向かい合う。 その手から黒鉄の凶器を落とし、目を合わせたままゆっくりと歩み寄る。

私たち、どこでどう間違えたんだろうね。

お互いに右手で相手の胸にそっと手を当てる。 そしてその手で一息に体を突き破り、お互いの心臓を握り合った。

それはまるで、時が止まったようだった。

……感じる? ……うん、お姉ちゃん。

温かい。

優しく閉じた目から涙がこぼれる。

パパ、ママ、ごめんなさい。 一緒に帰ろう。

懐かしいわが家へ。

惨劇の終止符。 それは親の血を浴びた体でお互いの心臓を握りつぶすこと。

ねえ、お姉ちゃん!みんなで食べるごはんはやっぱり美味しいね! ふふ、そうね!パパ、ママ、いつもありがとう!

二人で一つの名が刻まれた墓石の周りには、今も一面に花々が咲き乱れるという。

黒鉄の幽鬼

ママ、ごめんなさい……ごめんなさい……

その泣き声はただか細く、か細く消えていった。

まわりの子と違うのは、わかっていた。

私さえ生まれてこなければ。

一筋の落雷とともに、運命の歯車が回り出す。

ここはどこ。

暗く閉ざされた地の底から、ただ光を求める。

あれは私。

パパもママも、殺したのは私。

今度は私が、私を殺す番。

重い黒鉄の音が交差する。

傀儡と指差された悲しみが、叫びとなって赤き夜を染める。

私は私。

オマエナンカジャナイ。


という、2人のジェイソン物語( ;∀;)

二次創作だからあんまり膨らませないかもですけど(´・ω・`)

4か月ぶりのジェイソンデーなので

去年の12月から実に4か月ぶりの13日の金曜日Ψ( ̄∇ ̄)Ψ

ということでまたCHARATでジェイソン作りました。今度はシャドージェイソン( *´艸`)

ただの2号じゃつまらないので、何かありそうな仕様にしておきました。せっかくだからストーリーも添えようかしら(*´Д`)

素顔も何となく黒い表情。しかも片目がない。1号は虚ろなサイコパスっぽかったのがここにきて功を奏しそう。いったいどちらが傀儡なのか( ゚ー゚)みたいな

何も考えずに書くとバトルものみたいになりそうですが、そこはやっぱりお互いに信念みたいなものを持たせるとキャラが濃くなって良いですよね

明日への終電( ˘ω˘ )

僕の職場は田舎の古民家。 今日も仲間が焼き上げたクリスタルグラスを洗う。 厚みがあってしっかり。これなら大丈夫。

目が利きますね。 事務の女性に褒められる。 さあ、陰ではみんな僕のことをどう言っていることやら。

お疲れ様~。 そうそう、明日から夏休みだね。 外に出るともう真っ暗。時計を見れば深夜12時10分だ。

やばい、終電の新幹線に乗り遅れる。 休みの日は家でのんびり過ごすって決めてたのに。

仲間の一人が自分を追い越して猛然とダッシュ。 彼も急いでいるらしい。待ってくれよ~。

田舎の坂道をぜーぜー言いながら上る。 これじゃとても駅まで間に合いそうもない。

途中の踏切で仲間が止まっている。 お、確かにここから線路に降りれば間に合うかも。

プア~ン。警笛が聞こえて電車が駅に止まった。 ホームはすぐそこだ。

仲間は結局ホームにも上がらず、直接電車によいしょと乗り込む。 僕は相変わらず足が遅い。疲れているのか電車に近づくほど足が言うことを聞かない。 ちらり。運転手のおじさんと目が合う。待ってくれるよね?


何故か夢では田舎のばあちゃんちが職場になってました。そしてまた電車に乗らなきゃパターン( ;∀;)

そういえば最近めっきり空を飛ぶ夢って見ないなぁ。気持ちが焦ってないってことかな……良いことだ、うん(*´ω`*)

それはそうと夏休み前日に終電を逃す夢って、なんかブラックだよなぁ( ^ω^ )

怪獣ゲーム

ここは都会の駅のホーム。 電車が来るまでゲームをしよう。

ちっちゃい銃ででっかい怪獣の弱点をちまちま狙うミニゲーム。 お店で強い銃を仕入れたり店員のお姉さんに情報を聞いたりすると有利になるんだけど。 今日も僕は自力でちまちまちま。 怪獣が歩くたびにイヤホンからドスンドスンという迫力ある足音。

あれ?画面から怪獣がはみ出して消えた。 おかしいな。

ふと見ると駅の向こうに怪獣が。 いつの間にか足音もイヤホンからじゃなくリアルに聞こえてた。

やばい、あれって僕のせい? 何とかしなきゃ。 といっても武器がない。

そうこうしている間に怪獣は歩いて行ってしまった。

とりあえず仲間に連絡。 このゲームをやってる数人の友達を招集。 K駅で待ち合わせだ。

なぜか家に強い武器があると言っていた友人もいた。 期待しよう。

電車に乗ってK駅へ移動。 電車のシートに忘れ物の武器発見。 一番弱い水鉄砲。 ないよりはマシだよね。

K駅に到着。 友人は強い武器を忘れてきたらしい。 まったくもう。

見ると怪獣が踏切の向こうの三車線のでっかい道路を歩いている。 でも水鉄砲じゃ届かない。

お、駅のキヨスクで武器売ってるじゃん。 あのお姉さんもいる。

お姉さん、その武器ちょうだい。 冷たいお姉さん。

だめだめ、お姉さんのことを一番よくわかってる僕に任せて。 オタクくんがよくわからない言葉でお姉さんから武器調達。 くそー。

そうこうしている間に怪獣は歩いて行ってしまった。

あの怪獣をどうやって倒すのか。 お姉さんから情報がほしい。 僕は頑張って話す。 いつも大好きなお姉さん。 情熱よ届け。

もうオタクにも負けない。 僕は自信が付いた。 今はお姉さんも味方だ。

最強の武器を手に、怪獣を追ってまた電車に乗り込む。


なーんか少年みたいですね( *´艸`)

まあ夢というのはそんなもんです

でもこの話、もし膨らませそうならもうちょっと広げて書き込んでみても面白いかもしれませんが( ^ω^ )

疫病

私は某国で活動する新聞記者だ。

今、我が国では世界を巻き込んだ一大イベントが開催されようとしている。 成功すればその国益は計り知れず、逆に失敗すればその損害も計り知れない。

そんなタイミングを推し量るかのように世界は今、空前の恐怖に晒されている。

新種の疫病である。

しかし私はこの疫病の存在について、いささか違和感を覚えている。 理由は主に以下の三つである。

一つ目は、疫病の発生源。 二つ目は、疫病に対する世界の動き。 そして三つ目は、疫病の特性。

まず発生源についてだが、これは世界地図で見ればもはや我が国の隣国とさえ思えるほど近しい国である。 よって世界的な警戒レベルとしては、我が国は最も危険視すべき地域の一つとして認識されることになる。

世界機関も警鐘を鳴らし、世界各国も断固たる措置を講じるという状況のさ中では、もはやイベントどころではない。 つまりこの疫病によって最も経済的ダメージを受けることになるのは、他でもない我が国なのである。

そして世界の動きについてだが、先にも述べたようにかなりのパニックぶりとなっている。 この情報の時代でありながら、我が国においても様々なデマが横行。国内だけで無用の被害を次々に併発する始末である。 報道機関はこの状況を「〇〇ショック以来の~」というように喩えるが、まさにそれほどまでに異様な空気なのだ。

恐怖は人の本性を曝け出させるというが、まさに恐怖が人の結束力そのものに亀裂を生じさせるような、いわゆる集団ヒステリーとも取れる事態に近いのではないだろうか。

そして最後に、ここが最も重要なのだが、今回の疫病の特性についてである。

実はこの疫病、過去に流行したものとの序列で言えば、今のところ重篤化率や致死率についてはそれほど上位ではないという。 しかし潜伏期間が長くまた潜伏期間中に伝染するため経路の特定が難しいという特性があるのだそうだ。 もちろん新種であるということが一番であるが、それを差し引いても今回のこれはつまり人の恐怖心を煽る部分のパラメータだけが異様に高い、言うなれば「恐怖特化型」の病原体というような印象を受けないだろうか。

それにかこつけるかのように、世界機関の異常なまでの発生国への擁護、そしてあまりに二転三転する疫病の情報である。

さらにこの病原体はその特異性から見ても、そもそも自然界には存在しない、人工的に作られたものではないかという不穏な情報まであるのだ。 確かに発生源とされているのは、とある研究施設なのだという。

何か匂ってこないだろうか。 そう、ここで登場するキーワードが「バイオテロ」ということだ。

「バイオテロ」というとそれはまるで高い殺傷力があったり、触れるだけで障がいを生むような恐ろしいものを想像するかもしれない。 しかしサイバーテロのような行為が世界的に影響力を持つこの時代においては、恐怖で人々の信用を失わせるような「工作」でも十分に効果が期待できないだろうか。 むしろ強力な殺傷力などが検知されてしまえば、それは明確なテロ行為、戦争行為として世界から「悪」のレッテルを貼られてしまうことにもなりかねない。 それでは本末転倒なのだろう。

共通の敵は団結力を生む。 それを避けるためにも、得体の知れない薄ら寒い恐怖をタイミングよく植え付けることによって、重要な決断を封じ間接的にダメージを与えるよう仕組むことが肝要なのだ。

ここで思い出してみてほしい。数年前にも似たような疫病が流行ったことを。 そのときの感染力や重篤化率、致死率といった脅威は、今回のものと比較にならないほど遥かに高いものだったはずだ。 それと比べてもなお、今回の世界的パニックが異様に大袈裟に引き起こされている印象を受けるのである。 先にも述べたように、報道機関が今回の状況を喩えるにあたり、わざわざ先の疫病ではなくそれよりもさらに昔の「〇〇ショック」を用いていることからも裏付けられるだろう。

そもそも彼の国は疫病の情報を露呈させるタイミングを調整した節すらある。何しろ人命を奪ってまでその口封じを強行したのだ。 そして一時的にでも世界機関と癒着することで、自然と世界中の警戒心を煽るための発言力を拡大しようとする戦略もまた垣間見えてくる。 直前に控える世界的イベントを決行するか否か、その決断のタイミングに合わせて「運悪く」世界を恐怖のどん底に陥れようとする、まさにそんな絵図が見て取れるのだ。

もちろん開催直前のドタキャンということになれば、言うまでもなくその損害は最大化する。 この疫病にかかわる一連の騒動は、つまりはそれを狙って仕組まれた壮大なシナリオなのではないかと推察せざるを得ないのである。

悲しいことに我が国と彼の国とは現在の情勢的に、決定的に相容れない部分がある。 世界の勢力図的には、お互いに脅威の存在と位置づけざるを得ない側面を持つのが現実なのだ。

今回の一件による彼の国への直接的な国益はないのかもしれない。 しかし我が国の損害そのものがその勢力図を塗り替えるための壮大な計画の一部として組み込まれていることは、もはや疑いようもない事実なのであろう。

まさに肉を切らせて骨を断つ。 彼らはまだ脈々と続く戦国時代の渦中にいるのだ。

私の命もあとわずか。 どうか我が国よ、この危機を乗り切ってほしい。


【注意】あくまで架空のお話です(*´Д`)

葛藤

さようなら。

私はカミソリを手首に当てた。

もうこの世に未練なんてないのだから。

いや、そんな風に思うのはもうやめるべきなんだ。

確かに考え方ひとつで幸せになれることもあるのかもしれない。

笑顔でいればきっと大丈夫。

生きていれば良いことだってある。

幸せな明日を信じて歩いていこう。

そんな私にあなたは言うでしょう。

やっぱり死んだ方がマシだよ。

でも私はもう決めたんだ。

奇跡を起こすことだってきっとできる。

コーヒーカップ

古い遊園地にはよくあった乗り物、コーヒーカップ。 最近は遊園地自体がめっきり数を減らしてしまったこともあって、ご存じない方も多いのかもしれない。

丸いトレーの上にコーヒーカップを並べたような形状で、お客さんはそのコーヒーカップに乗り込む。 動き出すとトレーが回転し、さらにその上のコーヒーカップもランダムに回るというアトラクションだ。 乗り物酔いしやすい人などにはあまりお勧めできない代物となっている。

僕は某遊園地に出かけたとき、久々にそのコーヒーカップを見つけた。 けっこう流行っているようで、カップルや親子連れなんかでなかなか賑わっている。

つい懐かしくてしばらくぼーっと眺めちゃったんだけど、そのうち何巡目かに変な親子が乗り込んできた。 変っていうのは僕のセンスが合わないだけなのかもしれないけど、とにかくなんか姿が普通じゃなかったんだよ。

赤と白のストライプ柄のぴっちりしたシャツに、銀色のロングスカートを穿いた母親と、緑の全身タイツみたいなのを着た子供。 二人ともやたら派手な黄色い髪色で、母親の方は頭のてっぺんにお団子でまとめた髪型だったかな。 そして何より異様だったのが、首がやたらと細長いってこと。

それなりに周りにも人がいたのに、意外とそういうのって誰も気に留めないものなんだよね。 でも僕はそれが何故かやたら気になっちゃって。 喩えるなら何と言うか、よくわからん前衛アートから飛び出してきた人みたいな、いわゆる奇妙な不気味さってやつだったな。

それでその親子も普通にコーヒーカップに乗っかって、子供はこう、逆向きに座ってカップの縁に手をかけるような形になって。 そのままブザーが鳴って回り出したんだ。

僕は何となくその親子を目で追ってたんだけど、ずっと見てると何か違和感を感じたんだ。

トレーが回る、カップも回る。 でもよく見ると、それに乗ってるその親子の首までぐるぐる回ってるんだよ。

しかも周りの乗客たちみたいに楽しそうに笑ってるっていうよりは、何かこう無機質にケラケラケラっていう感じの笑い方。 何ていうか、まるで機械なんじゃないかと思うような異質さ。

おいおい誰も気が付かないのかって、そのときは本当に背中がサァーってなるような変な孤独感を味わったよ。 そんなものをまさか僕だけが見たってのも何か薄ら寒いし、人に説明してもどうせ伝わらないんだろうと思ったから、そのとき咄嗟にスマホで動画撮影しておいたんだ。

コーヒーカップが終わると、その親子は普通にスタスタとどこかへ行ってしまった。

僕はそのあと普通に娘を連れて一日遊園地を満喫したわけなんだけど、結局その親子にはそれっきり会うことはなかったんだ。

つまりこれから見せるのはそのときに撮った動画ってわけなんだが。

僕も撮ってから初めて再生するんだけど、あの奇妙さは思い出しただけでも何だか鳥肌が立ってくるよ。

じゃあ再生。

慌てて撮り始めたから最初は手振れがひどいけど……ほらこれだよこれ、って。 えっ!?

見ると回転するコーヒーカップの中で、二つの首がずっとこちらを向いている。

うわ、何だこれ!

僕たちは凍り付いた。 カメラはずっとその親子を追っているので目が合いっぱなしだ。

しかも何かこちらに向かってぼそぼそと言っているようにも見える。 その瞬間、勝手にみるみる音量が上がりものすごい速さのお経のような不気味な声が爆音で鳴り響く。

うわああぁぁ!

何度押しても停止ボタンが効かない。音量も下がらない。 そして何故か画面から目が離せない。

これは、やばいかも。

視界がビビッドカラーになっていく。 やがてバツンッと真っ暗になった。

気が付くと僕は自分のベッドにいた。 夢だったのだろうか、妙に気分が悪い。

今何時だろう。

時計を見ると、昼過ぎ。 あれ?

時計の針がぐるぐると回り出す。 何だこれ。

視界そのものが回り出し、ビビッドカラーに染まっていく。

ただいまー!

出かけていたらしい妻の声でふと我に返る。 何だったんだろう……あの変な夢のフラッシュバックなのか。 いや、あれは本当に夢だったか?

妻が買ってきてくれたコーラでも飲むか。

ふとペットボトルの蓋を見た瞬間、勝手にぐるぐると回り出す。 おいおい何なんだよこれ。

またぎらぎらと色が濃くなり目が回る。おかしい。

僕は思いっきり首を横に振り、何とか正常に戻す。

ちょっと外の空気でも吸おう。

家を出て散歩中、ふと路駐してあった車に目が留まる。 なかなか渋いクラシックカー。

しかしそのタイヤを見た瞬間、またぐるぐる回り出し、あの変な発作が起こる。 自分で頬をぱんぱんぱんと叩き、正気に戻る。

完全に変だ。

僕はあのとき一緒に動画を見てたやつに電話してみる。

しかし彼はそんな動画を見た覚えはないという。 やはり夢だったんだろうか。一応そのときのことを一部始終説明してみる。

するとしばらく沈黙したあと、おまえ遊園地でその変な家族に本当に会ったのか?と急に声色が変わる。 あれはこの世のものじゃない。悪いことは言わんから今すぐお祓いに行ってこいと言う。

その言葉にすがるように僕はその足でお祓いに行った。 住職からは、回るものを見たり意識したりすることをしばらくは避けなさいと言われた。

だから僕の家にはアナログ時計が一切ない。 スクリューキャップの食品は買わないし、車が通ると今でも目を逸らすんだ。

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