修学旅行で大都会の高級ホテルに宿泊？なんてそんなハズもなく、その裏手にある高層ビジネスホテルが今日の俺たちの宿。 しかしそこへ行くのになぜわざわざ高級ホテルの中を通っていくのか……せめて気分だけでもとか要らないから！

ちなみに受付を済ませたあとは自由行動らしいので、しっかり晩飯までに戻れるように地図を頭に入れておかないとね。 ええと、あの渋谷の109みたいな建物が高級ホテルで、俺たちの部屋はその裏手にあるこの一見ホテルにも何にも見えないビルの7階っと……

とにかく遊びに出る前にこの荷物を部屋に置かせてほしい。まさか布団を持って街を歩き回るなんてできないからね。 あ、そのエレベーター乗ります乗りますー！ちくしょー布団が重たくてうまく走れないぜ！

それにしてもぎゅう詰めだなぁ、乗って大丈夫かなぁ？ チーン、上へ参ります。 ドアが閉まるとそこには注意書きが。 このエレベーターは重圧がかかるため体調の悪い方は乗らないようにお願いします。

そう、これはモンスターエレベーター。 乗っている最中は乗客の顔がぐぢゃぐぢゃのモンスターのように歪むというアトラクション。 大丈夫かなぁ不安だなぁ。

やがて上昇が始まり顔面がむず痒い。 んーでもまあ大したことないじゃん？

いよいよ待ちに待った夕食。 高級ホテルばりのゴージャスな食堂に並ぶのは普通のごはんたち。 良いね！こういうのいつもスーパーとかで買って食べてるんだよね！好きで買ってるんだから今日もありつけてありがたいね！ 負け惜しみじゃねぇの？と隣の幼馴染からツッコミが入るも気にしない。

あれー？今年の2号生は少食で良いのかなー？

配膳のおばちゃんが杓文字を片手に呼びかける。 どうやら飯は自分で取りに行かないといけないらしい。 しかし何故か俺のお膳にはすでにおこげの付いた飯が大盛りで盛ってあり、それを持っておばちゃんのところへ行くと何故か少し量を減らされてしまった。

いやそんなことより2号生って！2年生だろ！男塾じゃねェーんだからよ！