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ある大嵐の夢(´・ω・`)

サイレンがけたたましく鳴る。大雨の中で荒れ狂う海が、施設の中からすぐ目の前に見渡せる。 どう見ても今外に出るのは危険。でもいつ収まるのかもわからない。家に帰りたい。

緊急の招集がかけられ、僕らはコミュニティルームへ。 施設の近辺にまだ人が残っていないかよく確認しろ。もし人を発見したら直ちに救助すること、だそうだ。 どうして一介のサラリーマンがそんなことを……帰りたかったのにな。

仲の良い同僚たちと一緒に、広々と海が見渡せる展望ロビーへ。ここならソファーもたくさんあるし、もし救助なんてことになっても…… あれ、なんか変だな。ガラス越しにテラスを見ると、外は妙に明るい。 いつの間にか空は雲一つなく燦燦と太陽が出ているのに、地上は相変わらず暴風雨で大荒れの海。一体なんなんだこの光景は。

お、よく見ると人影発見!まさかいるのかよ、この状況の中で人が! ん?でもどこかで見覚えのあるシルエット……

波しぶきが激しく打ち付ける桟橋のあたりを、傘もささずにまるで散歩でもしているかのようにのんびりと歩いているのが見下ろせる。 ベージュの帽子とジャケットに、手には大きなカバン……あの恰好はまさしく!?

とにかく救助しなくては!施設の防災スピーカーからアナウンス! どうやらそれに気づいたらしく、よう、と言わんばかりに軽く手を挙げてこちらに向かってくるようだが、時折なにやら顔のあたりから赤い光がちらちらと発せられるのが目に入った。

まずはずぶ濡れの服を乾かしながら、お茶を淹れ暖を取ってもらう。 ありがとう、助かったよ。一息つくと、彼はまたずっと海の方を眺めている。

どうしてこんな天候の中、まるで江戸川の土手でも歩くようにあんな危険な波打ち際を平然と歩いていられたのか?

旅ってのはな青年、帰るところがあって初めて旅って言えるもんよ。お前さんの言うように人生そのものが旅だとしたら、一体お前さん、どこへ帰りなさるおつもりかい? そうぽつりとつぶやく彼の目からは、赤いレーザーのような光がちらちらと。サイボーグだったのか!

夜。暴風雨は少し鎮静の兆し。しかし海は昼時にも増してどろどろと不気味に唸っている。暗がりの中、所々で渦を巻いているのが施設の明かりにぼんやりと照らされている。 そんな景色を横目に、外の非常階段から5階の売店へ。今日は泊まりになりそうな人たちが、食料を求めて長蛇の列を成している。

施設は相変わらず定期的に防災のサイレンを鳴らしているが、遠くでは救急車のサイレンも絶え間なく鳴っているのが微かに聴こえる。 ますますただごとではない空気が、ここにいる人たちの間にも漂う。帰りたいな。

また緊急の招集。今度は何かと思ったら、もう帰って良いそうだ。 雨風は多少マシになっているものの、辺りはすでに真っ暗。ただ帰れというのも無責任な気がするが、移動するにはチャンスなのかもしれない。帰ろう帰ろう!

例のサイボーグはカードにできたので財布にしまって、自分の荷物を取りにオフィスへ向かう。 5階の売店に並ぶ行列を割って、レジ横の職員用通路から奥のエレベーターホールへ。無駄にふかふかの絨毯が心地よい。

デパートにありそうな高級な感じのエレベーターに乗り込んでさらに上の階へ。 ガラスの外は延々と続く暗く深い大海原。静かだな、と思った矢先に突然の稲光のような閃光に慄く。ああびっくりした。

程なくして屋上に到着。重く低い夜空からはもう雨粒は落ちてこない。はるか下の方ではごうごうと海鳴りが不気味に響く。 誰もいない。生ぬるい風が吹き抜けるこの真っ暗なフロアの真ん中に、僕のデスクがある。 また雨が降ってこないうちに帰ろうと、そそくさと自分のカバンを取って、脇に停めてある車に乗り込む。

やっと静かな時間だ。もう恐ろし気な暗闇の音はまったく聴こえない。 小さなルームランプを頼りにラジオをかけると、いつものドリフの音楽に乗せてニュース速報が流れてくる。

明日は旅行日和の天気になるらしい。良かったね!

今日はもう疲れた。シートをリクライニングにして、僕はそのまま目を閉じた。


という夢を見ました。大量のビールを呷って寝たせいか、なんか終始ダークな内容のわりに、寝起きはしみじみとした気分でした

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